上手に乗り越えたい!産後クライシス

出産後から2 – 3年ほどの間に、夫婦仲が悪化するという現象を指し、2012年にNHKが提唱した用語だそうです(ウィキペディアより)

産後はホルモンバランスの影響や、育児疲れ、睡眠不足、生活スタイルの変化などさまざなことが要因となり、マタニティ―ブルーズや産後うつなどを発症しやすくなります。現在では広く認知されるようになり、2週間健診や1ヶ月健診でママの精神的な負担度合いを測る心理テストが採用されるようになりましたね。

産後クライシスも誰にでも起こりうるものです。産後クライシスを引き起こす夫婦のすれ違いの原因を考え、良好な関係を築く方法を考えていきましょう。

妊娠中から始まっている!育児への姿勢の違い

女性は妊娠から出産に至るまで、自分の体の変化を常に感じながら、母親になる準備を時間をかけてしていきます。色んなマイナートラブルに耐え、胎児に気を遣いながら過ごし自分だけの体ではなくなっていきます。それに比べて男性は、子どもができたことを同じように喜びつつ、日々大きくなる妻のお腹を楽しみにしながらも、生活自体におおきな変化もないため、なかなか自分ごととして体感するのは当然難しいですよね。

そのため、出産後すぐから始まる赤ちゃん中心の生活に、女性はある意味否応なく適応していきますが、父親である男性自身はとても協力しているつもりでも、どこか最後は妻任せ的な言動がでてしまい、必死に母親になろうとしている妻をいらだたせる結果になることがよく聞かれます。

『手伝って』いるのに、なぜそんなに妻は怒るのか?

こんなに手伝ってるのにって男性からするといいたくなるのも当然ですよね。ですが、この『手伝う』という言葉に潜む心理を女性は敏感に感じ取っているのかもしれません。

産後は疲れやホルモンバランスの影響で確かにイライラしやすいですが、それだけでなく授乳をしていると放出されるホルモンに子どもを守ろうとして他人を排除する作用があるそうです。だから、子どもを自分と同じように大切に扱ってくれていないと感じ取るとその作用が働くという結果になります。

この『同じように』というのは、決して『お手伝い』感覚ではなく、『妻と同じ目線・立場で育児に取り組む存在』であるということ。夜中に泣いたら、妻と同じように起きて、または妻の代わりに抱っこしてあやす、家にいる時は妻の指示待ちではなく率先して育児や家事をする。そして、飲み会の約束があっても、子どもの体調が悪いなど妻からSOSがあれば、キャンセルして自宅に急いで戻る。

女性が『手伝う』という言葉に感じているのは育児や家事の負担感の不平等さかもしれません。

対策①妻の話を聞きましょう

妻が弱音を吐いた時は、どうぞただ聞いてあげましょう。多くの女性はその愚痴に対する明確な答えなんて求めていません。ただ「うんうん」と聞いてくれて、「大変だったね」と共感してくれて、「いつもありがとう」と自分の行動を認めてくれて、「今日はご飯の後片付けは任せて。ゆっくりお風呂はいっておいで」と自分も大切にされていると感じることができれば、明日からの育児・家事も頑張ろうと思えたりします。

仕事と育児や家事との大きな違いは、誰にも評価もされず、ただただ延々に続いていくということ。

誰にも評価されないということは、自分の存在を見てもらえないのと同じです。

夫と妻が全く同じように育児・家事を担うというのは現実的ではありません。

ですが、少しの思いやりで、その負担感を和らげることはできます。

対策②お互いに完璧を求めない

最初にも言ったように、体感として変化や育児の大変さを感じている妻は、夫の言動に『???』となります。でも徐々に遅れて父親になっていく夫は悪気なくそのような言動になっているんだと女性側も理解してあげましょう。そして夫の頑張りをどうぞ認めてあげてください。完璧を求められたら、みんな辛くなりますよね。パパだって慣れない育児に不安を覚えています。そして、産後のママの変化に戸惑いを覚えているかもしれません。

ママ自身も、自分の育児や家事、上手に手を抜けることは抜いてしまいましょう。それよりも、子どものチームであるパパとお茶でもしながら楽しい会話をしませんか(^^♪

対策③今までの対話を見直してみましょう!

妻は察してもらうのではなく、分かりやすくどうしてほしいのか、いつまでにそれをしてほしいのかを夫に伝えるようにしてみてください。なぜ妻が不機嫌になっていくのか分からなった夫も、明確に何をすればいいのかが分かると積極的に協力してくれるはずです。

お互いにサポートしあえる夫婦は夫婦関係の満足度が高くなる傾向にあります。

不安定になりやすいこの時期、今までの対話を見直す機会にしてみてください。