母乳分泌のしくみ④乳汁生成Ⅲ期

いよいよ最終段階、乳汁生成Ⅲ期です。

乳汁生成Ⅲ期は、産後9日目~退縮期開始までとされています。乳汁の産生は、前回お話したオートクリンコントロールで調整されるため、乳房から除去される量によって産生される分泌量が変化していきます。

本格稼働!!

この乳汁生成Ⅲ期になると、需要と供給のバランスがとれ始めて、いよいよ母乳分泌は本格的に稼働し始めます。乳汁生成Ⅱ期のパンパンに乳房が張ってとにかく頻回授乳と言われて大変だったことも、少しでも張りを解消するために搾乳をしていたことも、この乳汁生成Ⅲ期になってようやく報われます(^^♪

授乳回数が多いほど、乳汁産生も多くなり、赤ちゃんも徐々に1回で飲める量が増えはじめ、ようやく授乳間隔が空くようになったりします。少し眠れるようになるだけで、身体の疲労感も回復も違いますよね。

生後3か月までは少なくても8回/日の授乳回数を

ただ、時には夜間5-6時間も寝ちゃうというような赤ちゃんもいて、ママのおっぱいがまたパンパンにならず飲んでもらえばすっきりするならいいのですが、授乳回数がだんだんと減少し、長時間乳房内に母乳がとどまることが増えると、母乳に含まれる乳汁産生抑制因子が働き、だんだんと乳汁産生を低下させる要因にもなるので、母乳の分泌量が安定する3か月頃までは、8回/日以上の授乳回数を維持しましょう。

赤ちゃんの成長を楽しみに♪

新生児期の赤ちゃんは、泣く、飲む、寝るの繰り返しです。なかなか寝てくれず、夜通し抱っこしていたなんて話もよく聞きます。そんな生活を過ごし、気づけば1ヶ月、2ヶ月が過ぎ、夜中も少し寝てくれ、段々とお喋りをしてくれるようなります(^^♪ お喋りといっても「あ~、う~」とかの喃語(なんご)ですが、なんとなく会話になっているようで楽しい頃ですね。

そんな楽しいのも束の間、また夜寝てくれなくなったり、日中ずっとぐずって、お腹は空いていないのにずっとおっぱいを吸っていたり・・・。その変化に少し戸惑ってしまうかもしれませんが、赤ちゃんは大きく成長する時、生活リズムも変化する傾向がみられます。しっかり飲めていて、排泄もちゃんと出ていて、元気があるなら心配ありません。今からまた成長した姿を見せようとしてくれる時期なんだと考えて、その変化ですら楽しみながら過ごせるとですね。

一人で頑張り過ぎないで!

とは言っても、24時間お世話をするのは大変ですね。子育てサークルや園庭開放など利用できる子育て支援は積極的に利用したいところです。お家で二人でいるとどちらも時間を持て余して、赤ちゃんもグズグズしやすいですが、お外にでるとたくさんの刺激を受けて赤ちゃんも楽しめるし、ママも気分転換になりますよ。保健師さんや保育士さんがおられる場所もあります。困っていることも相談できたり、今の時期の子どもとの遊び方を教えてもらったりできるかもしれません。

また『とにかく寝かして~、休憩したい!』というママは、産後ケア施設の利用を検討してみてください。お住まいの市町村で利用できる回数や月齢、利用方法が違うと思うので一度保健福祉センターまで確認してくださいね。

子育ては一人で頑張るものではありません。家族はもちろん、利用できる子育て支援はしっかり利用して、育児を楽しんでくださいね(^_-)-☆