<授乳の悩み>乳房トラブル:おっぱいが出すぎる母乳分泌過多

母乳分泌過多(ぼにゅうぶんぴつかた)って?

おっぱいの需要と供給のバランスがとれておらず、母乳がですぎており、そのため乳房の張りがとれにくい状態のことをいいます

▶授乳後の張りが残っている場合

授乳後にまだおっぱいに張りが残っている場合、後絞りを勧められることがあるかもしれません。しかい授乳後の後絞りはさらに母乳量の増加をきたす場合があるので注意が必要です。乳房の張りが、産後早期の生理的なものか、母乳分泌過多による張りかどうか鑑別する必要があります。

▶授乳習慣が原因のことも!

乳汁中に分泌される乳汁産生抑制因子(FIL)は、乳房内の圧が高まると乳汁分泌抑制に働き、圧が減ると乳汁分泌促進に働きます。そのため、産後すぐの時期に行っていた、短時間で切り替えて両乳房とも吸わせる、乳房を空にするために授乳後に搾乳をするなどの授乳習慣を継続すると、FILの適切な働きを阻害し、乳汁分泌過多を引き起こすと言われています。

それ以外に、ママのホルモンバランスの影響が原因のこともあります。分泌を減らす方法を試してからも変化がない時は一度医療機関を受診しましょう。

▶ママと赤ちゃんへの影響

ママ:乳腺炎リスク、乳汁が漏れでて洋服を汚さないか不安で外出しにくい、授乳後にもすっきした感覚が得られない

赤ちゃん:授乳中にむせたりせき込む。吐き戻しが増える。お腹が張っていてガスが溜まりやすい。体重増加が緩やかになる(水分や糖分の多い前乳ばかりを飲んでいるため)、授乳後すぐに泣いて授乳間隔が短い(腹持ちがよく脂肪分の多い後乳まで飲めていないため)

▶対策

①授乳直前に軽く圧抜きをする

②張りが強い時は気持ちよいと感じる程度の冷たさで軽く冷やす(クーリングをする)

③吸着方法、授乳姿勢を確認する

④軽く搾乳する(とても緊満が強い時の限定的な対処方法です)

母乳分泌過多になると、水分や食事を制限するように言われるかもしれません。水分不足は、かえって乳腺炎などのトラブルを誘発します。また高カロリー食はしばしば注意されるかもしれませんが、動物性たんぱく質や脂肪を制限する方が多く、極度な制限は必要なカロリー不足、ビタミン不足、微量元素の不足が疑われます。極端な制限はやめて、ケーキや揚げ物を控える程度にして水分はしっかり取りましょうね。